放下鉾(ほうかほこ)

放下鉾の鉾頭
 鉾頭の飾りは日、月、星すなわち三光が下界を照らす形をあらわしています。

 洲浜(すはま)の形といわれている丸三個に斜め下に向けた棒が両側についています。この棒が光です。

 この由縁からこの鉾が「すはま鉾」とも呼ばれていたそうです。

放下鉾の真木
 真木の「天王座」に享保年間(1716~1735)の作と思われる放下僧の像を祀ってあるので放下鉾と呼ばれます。

 「放下僧」は仇討ちを主題にした能の演目の一つで、放下僧は禅宗の僧として登場します。作者不明の能楽ですが15世紀に作られたのではないかといわれています。劇中に禅問答があって、当時の禅への関心が伺われます。

 放下僧は屋外にあるものという解釈から真木の放下僧の上には屋根がありません。

放下鉾の懸装品
 胴掛も豪華なもので、インド・ペルシャ絨毯の胴掛けを使っていましたが、平成になってからこの図柄をそのまま写して復元新調したものが使われています。

 見送は200年近く前に作られた西陣製の綴錦を使用していました。

 「仙桃双鳳額唐子嬉遊図」という自然の中で遊ぶ大勢の子供達が題材になった図柄でしたが、これは宝物として保存し、現在は皆川泰蔵作の「バグダッド」というローケツ染めが使用されています。

放下鉾の鉾町
 京都市中京区新町通四条上る小結棚町